H3先進組合事例、諏訪トラック協同組合〔長野県〕
■住所:〒393 諏訪郡下諏訪町赤砂崎10,795 ■電話:0266(28)8256 FAX:(28)8715
■設立:昭和49年9月 ■業種:運送業ほか ■組合員:17人 ■出資金:10,220千円
■地区:諏訪地区3市1郡 ■形態:同業種網羅型組合 ■職員:3人 専従理事:1人

システムKITで返路の空車を減らしパソコンも活用
 収入増や経営効率改善をめざし、実車率を高めるため、日貨協連の「返路貨物斡旋システム」に加盟。電話やFAXからパソコンへと発展、組合員のコンピュータ導入も促進。

○導入の経緯
 組合員に返路貨物を効率よく斡旋するには、全国的なネットワークによる他組合との友好関係が必要である。日貨協連のシステムを知り、その会議に参加した専務理事が、当時の理事長の積極的な判断により、理事会の反対を押切って配車担当者会議を開き実態を話合い、かなり強引に加入した。(昭和55年)

○事業の内容
 日貨協連が全国的な組織化の中で、求貨・求車の情報を交換するために作った「統合システムnst」は、電話に加えてFAXも昭和58年から使え、平成2年にはパソコン通信に発展して「システムkit」となり、平成3年10月にはソフトも更新されて、加盟組合も120になった。パソコンに求貨・求車情報を入力し、電話回線でデータを送る。「システムkit」に蓄積されたデータをパソコン通信でハードディスクに取込み、必要な範囲を印刷して、情報元組合や組合員と電話で連絡、交渉して決める。他の加盟組合との共存共栄の連帯意識が
強まり、お互いに空車で帰さないよう努めた。組合では他の業務にもパソコンを多角的に活用、組合員へのコンピュータ導入を促進、大手への対抗手段になった。

○実施組織・体制
 常勤の専務1人と職員3人が積極的に取組んだ。入力や受発信のほか、電話連絡がかなり多く1人では対応しきれないときもある。組合員の配車担当者は、実車率向上が任務であり、運営には協力的だった。設備資金はパソコンと周辺機器など1式で110万円、運営資金は、会議・電話料・人件費などの経費に対して、運賃の5%の手数料で僅かな過不足程度である。利用率は20%程度だが「組合としての商品を増やし、利用したい組合員が利用すればよい」と理解、情報量の増加による利用度の向上を期待している。