○組織化の経緯と内容
地域の振興は、農業の土地生産性の向上にあるとして「伸ばそう伊那谷、郷土の産業」を合い言葉に、製販直結を目指し、地域の特産である柿、竹材の加工販売を事業の柱に地場の生産販売業者6名により設立された。設立の基本理念がしっかりしていたため、今日まで事業運営に大きなトラブルもなく今日に至っている。
○事業活動の内容
最近3年間の売上成長率は10%前後を維持し、経営は順調に推移している。特に事業面では、当初から過大な計画を立てず、取り組み易い分野から始めた。具体的には当地域の特産市田柿を利用した干柿加工、組合員の技能を生かして竹材を加工した造園資材の製作等から取り組んだ。また理事長は元森林組合の元幹部であったことも、生産、販売面で役立った。これらが良い方向に相乗効果が発揮され今日に至ったものと思われる。また現在、組合は、造園資材の製作提供に止まらず、造園そのものを手掛けるべく準備にも入っている。一方、生産者からの現金仕入れも、地域特性を理解したうえでの方法であったため、年々取扱い量も増えている。
○組合運営体制
「地域産業の振興及び同志の共存共栄」を考えたうえで選択した企業組合組織であったため、運営体制面でも迷いはなかった。役員、授業員の高齢化の悩みはあるものの、年間12日の自由休日(月1回好きな日に休む)を与えるなど、労務管理面で工夫をしているせいか、労働モラルは高く、造園業への魅力を求め30才代の若い人も僅かであるが就職している。
|