○実施の経緯
例えば、図書館、美術館のような自治体の発注の大型工事についての建築設計監理については、個別の設計監理事務所では受注能力が足りないため手が出せない状況にあった。このため、こうした工事はすべて中央の大手業者に受注されていたが、都市づくりのため、自治体が各種施設の建設を本格化させてきたのを機に、市側の指導も受けつつ共同受注体制を研究、着手に入った。そして、松本市が地方卸売市場開設の計画をしたのを契機に組合を設立しこれの共同受注に成功した。
○事業の内容
現在のところは、自治体の発注する図書館、体育施設、流通団地、工場団地等の建築物に関する設計監理の共同受注が主力となっているが、将来的には民間工事にも参入したいとしている。業績も年々上昇しており平成元年度は受注件数11件、金額は1億5,000万円を超えている。また、この事業は、組合員に経済メリットを与えているが、むしろ評価すべきは、大型工事の設計コンペに応募し、中央の業者と技術を競う機会を持つまでに至っている点である。
○実施体制
建築設計監理の仕事は、ユーザーが多く、かつ発注が不定期であるため、業界情報にもとずき理事長、副理事長のトップセールスが中心である。また受注後の工事配分は公正を期するため、すべて理事会にかける他全員協議会にかけている。
共同受注は一応軌道に乗ってきているが、今後組合としては、人手不足への対応策として設計工数の低減を図るため、CADの導入等による省力化対策の検討も必要と思われる。
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